すずき です。こんにちは。
唐突ですが、「三角スケール」ってご存知でしょうか?
知りませんよね。
これ建築業界ではだれでも知っているし、多分みんな持ってるんです。
でも一般の方は使い方どころか存在すら知らなかったりするんですよね…。
建築業界の人は多分一人数本は持っていると思います、誰でも。
僕なんか大小合わせたら10本くらい持ってるかも。
でも一般的にはだれも知らない「三角スケール」。
三角スケールっていわれても???
「三角スケール」なんか言われたって、「?」ですよね。
昔と違って今は図面はほぼ100%CADで作図されます。
ほぼ、と書いたのは厳密には手書きに”こだわる”方々や、CADになじめぬ世代の方がいらっしゃるのは事実なので100%ではない。
CADのほうが偉いとか手書きのほうが凄いとかの問題ではなく、単純にCADで作図しておくと何かと便利なので今はCAD化されているわけです。
僕も内心は手書きで作図するほうが好きですが、いたしかたなし。
僕たち図面屋さんは以前はそれこそ皆、手書きで図面を作っておりました。
建築に限らず、図面を作るときに、作図する建物なり工作物のサイズから適切な縮尺を考えて1枚の紙に納めるわけです。
そうすると、例えば1/100のときは比較的簡単ですよね。
普通の定規で大丈夫。
でも1/200で作図する場合、普通の定規だとちょっと頭の中で変換が必要になってきます。
でも1/200位だと僕程度の脳みそでもなんとかなりますが1/300位になってくると色々問題が出てきます。
だって色々割り切れないじゃないですか・・・。
1/600位になるともう作図できませんね、僕の頭では。
でもそれじゃあ困るわけですよ。
作図するときだけではなく、例えば1/300の縮尺で書かれた図面をみながら打合せしているときに、図面に定規を当てて、この廊下どれくらいの広さがあるのかななんて検討しようとしても、ちょっと厄介ですよね。普通の定規だと。
そんな時に持っていると便利なのが「三角スケール」。
どんなものかというと
三角スケールというのはその名の通り断面形状が三角形をしています。
三角形の三つの角の両面にそれぞれ縮尺を変えてメモリが打ってあります。通常は1/100、1/200、1/300,1/400、1/500、1/600に対応してあります。
わざわざ計算しなくても、対応する縮尺の面にくるりと回して図面にあてれば、意とした縮尺で線が書けたり、長さを読んだりできるわけです。
どうです、超便利!
便利には違いないけれど
便利には違いないけれど、普段の生活でいったい何に使うのかと言われると、全く思い当たらない…。
こんなに便利なのに。
縮尺なんて地図見るときくらいしか気にしませんもんね。
しかもスケールを当てて距離測ったりはまずしない。
業界ではだれでも知ってる、誰でも持ってる、しかも何本も持ってて当たり前の三角スケールなのに、誰も知らないんだよなあ。
以前、東京駅にあるセレクトショップにちょっとおしゃれな水平器付の三角スケールが並んでいて、一緒にいた妻に「何これ?」と言われて一瞬驚きました。
「そりゃそうか」と改めて思ったりしましたが。
何故か増えていく三角スケール
CADで作図するのなら三角スケールなんかいらないようにも思うけど、やっぱり何かと必要なので何本も持っています。
縮尺が1/125、1/150などという特殊な縮尺に対応していたり、
A2サイズで書かれている図面を持ち運びが大変なので縮小コピーしてA3にしてしまったりすると三角スケールでも対応できないので、そんな時用の縮小コピーした時用の三角スケールなんていうのもあったりします。
シンワ測定 三角スケール C-15 15cm 縮小コピー用 70802
さらに通常は樹脂製ですが、こだわりのアルミ製なんてのもあります。
折りたたみ式8面仕様とか、もう三角スケールとは呼ばせない(なんで・・・)的なものまで。
シンワ測定 折りたたみ 縮尺スケール 8面 15cm 75745
こだわる人いるんだろうなあ。
おわりに
業界ではあたりまえすぎて気にもとめないけれど、一般的にはだれも知らない物って実は多いんでしょうね。
特殊用語とか。
実は建築業界にはそんなもののオンパレードだったり致しますが。
「三角スケール」もそんなもののひとつです。
因みに僕たちは「三角スケール」とは呼ばず、「三スケ(さんすけ)」と呼びます。
これ建築学科に入って一番最初の製図の授業で習いました。
今ちょっと欲しい三スケ
階段目盛付
おしまい