こんにちは すずき です。
最近朝晩の冷え込みも段々と本格的になってきました。
もうあと1か月もすると吐く息も白くなって背中丸めて歩くようになるんでしょうね。
そんな時に良く使うのが使い捨ての懐炉(カイロ)。
今でこそカイロは使い捨てで、冬になるとまとめ買いして使う人も多いでしょうけど、僕が小さいころはハクキンカイロといって、ベンジンを使って発熱する物でした。
実は今でも立派に現役で販売されています、ハクキンカイロ。
これアウトドアとかでもとても便利なんですよね。
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もともと懐炉(カイロ)に似たようなものは既に江戸時代からあったようです。
よく時代劇なんかを観ていると、たまにそんなシーンがあったりします。
これは正確には懐炉(カイロ)とは呼ばず、温石(おんじゃく)というものでした。
字を見るとわかるように石を温めたものです。
正確には温めた程度のものではなく、滑石(かっせき、蛇紋岩(じゃもんがん)、蝋石(ろうせき)などを火鉢などで加熱し、真綿や布などで包んでお腹の中に入れてつかたようです。
カイロと言うと普通思い浮かべるのは使い捨てのカイロ。
ホッカイロやホカロンあたりが有名でしょうか?
この使い捨てカイロが普及する前は懐炉(カイロ)と言ったら「ハクキンカイロ」のことでした。
ハクキンカイロ ハクキンウォーマー スタンダード 1個入 【保温約24時間】
「ハクキンカイロ」、正式には白金触媒式懐炉 (はっきんしょくばいしきかいろ)と言います。
大正末期、的場仁市がイギリスのプラチナ(白金)触媒ライターを参考にし、プラチナ(白金)を触媒とし、ベンジンをゆっくりと酸化発熱させる懐炉を発明しました。
戦前はベンジンが高価だったために、主に軍隊などで使用されていたようですが、戦後は一般にも広く普及しました。
よくある勘違いなんですが、燃料のベンジンに火をつけることで発熱していると思ってしまいがちな事。
ハクキンカイロで24時間発熱させるのに必要なベンジンはわずか25cc。
実際25ccのベンジンに火をつけたら数分で燃え尽きてしまいます。
ベンジンが気化するときにプラチナ(白金)と接触することで発熱します。
最初に火口にマッチやライターの火を接触させて使用開始しますが、火をつけているわけではなく、触媒反応をスタートさせる温度を与える為なんです。
反応した後のベンジンは炭酸ガスと水に分解されます。
また130℃~350℃という比較的低温での燃焼の為、NOX(窒素酸化物)の発生もほとんどありません。
非常にクリーンでしかも繰り返し使えるエコなものということです。
たった25ccのベンジンから得られる熱量は使い捨てカイロの13倍。
しかもとても安定しているため野外や寒冷地での活動にはとても有効です。
なによりカッコいい←これ結構大事。
ZIPPO(ジッポー) ハンディウォーマー&オイルセット ZHW-15
なんとライターで有名なZIPPO(ジッポー)からも、ハクキンカイロと同様の作用を利用したハンディーウォーマーが販売されています。
ハンディーウォーマーとは言いますが、ハクキンカイロとほとんど同じ形状です。
火口も共有できます。
ハクキンカイロの火口が普通にくっつきます。
そんなところからするとどうやらハクキンカイロのOEM商品のようです。
燃料はベンジンではなく、ZIPPOのオイルを使用します。
ランニングコストは、実は普通に考えると使い捨てカイロのほうが安かったりします。
ベンジンは一本当たり500ml入りでネット等で確認すると大よそ1,000円程度。
1回に25ccとすると1本で20回使用できますから、1回あたり50円程度。
ホッカイロやホカロンはネットで購入すると30パック入りでおおよそ7~800円程度。
1つあたりおおよそ25円前後という事になります。
但し、使用時間が12時間でよければ、懐炉に入れるベンジンを半分の12.5ccとすすれば、一回当たり25円になるのでおおよそ同程度のランニングコストになります。
ランニングコストをさらに下げる裏ワザとしては、実はアウトドア派なら必ず使うホワイトガソリンが燃料として使用できます。
ホワイトガソリンはメーカーにもよりますが4L入りでおおよそ3000円前後。
かりに3000円で計算すると1回あたりのランニングコストは24時間使用しても18.75円。
但しこれは完全な自己責任となります。
僕はバイクに乗るときにお腹に入れて使用してます。
温かいです。
ZIPPOのハンディーウォーマーは娘がピアノの練習をするときに喜んで使用したりしています。
使い捨てカイロって便利ですけど、どこか味気ないじゃないですか。
コスト云々よりも使用する喜びみたいなものがある商品なんですよね。←これ大事
おしまい