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【THE NOBEL PRIZE】 ノーベル賞 あれこれ 【2018】

こんにちは すずき です。

今年もノーベル賞が順次発表される季節がやってきました。

最初に発表されたノーベル生理学・医学賞で2年ぶりに日本人の受賞者が誕生しました。

京都大学名誉教授の本庶 佑氏。

授賞理由は『体内で異物を攻撃する免疫反応に対してブレーキをかける役割をするタンパク質「PD-1」の発見

凡人の僕には何のことやらよくわかりませんが、画期的な癌治療薬に結びついた研究だそうです。

去年(2017年)はカズオ・イシグロ氏がノーベル文学賞を受賞していますが現在の国籍はイギリス(幼少期に渡英して、その後帰化)なのであえて2年ぶり。因みに長崎県出身。

今年は文学賞の発表がスキャンダルで見送られるそうなので、日本では毎年恒例となった村上春樹氏の“今年は取れるのか騒ぎ”は残念ながらありません。

一番残念なのはご本人かもしれませんが。

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ノーベル賞 The Nobel Prize

ノーベル賞はご存知の通り、ダイナマイトを発明したアルフレッド・ノーベルの遺言が基となって設立されました。

画像出典:Wikipedia

遺言はなぜ作られたのか

僕も小学生のころ偉人伝の中の1冊で読んだことがあります。

確か、当時、爆発物として使用されていたニトログリセリンは衝撃を受けると爆発してしまい、扱いがとても難しく、事故で亡くなる人も多かった。

これを何とか扱いやすくして社会に役立てようとして研究しダイナマイトを発明。

ところが奇しくも戦争で使われることで巨万の富を築いて心を痛めたノーベルが死後、自身の築いた莫大な遺産を基にして、社会に役立つ活躍をした人に分け与えてほしいという遺言を残してノーベル賞が設立された、というような内容だったはず。

まあ、概ねその通りなんでしょうが、アルフレッド・ノーベルの父は機雷の生産など兵器製造で一時は大儲けした人のようで、まあ平たく言ってしまえば武器商人という事だったのでしょう。

ちょっと後ろめたい響き「武器商人」「死の商人」云々(読み:うんぬん。でんでん、ではない。)…。

実は誤報がノーベル賞につながったというお話

アルフレッド・ノーベルにはリュドビックという兄がいましたが、その兄が訪問先のカンヌで亡くなった時に地元の新聞がアルフレッドと勘違いし「死の商人、死す」と見出しに載せたそうです。

更に本文には「アルフレッド・ノーベル博士:可能な限りの最短時間でかつてないほど大勢の人間を殺害する方法を発見し、富を築いた人物が昨日、死亡した」と書かれたそうです。

出典WIKIPEDIA

アルフレッド・ノーベルさんは語学も堪能だったそうです。

図らずも自分の訃報を生きている間に読んでしまったわけですが、その内容がこんなんじゃ、そりゃあちょっと凹(へこ)みますよね、普通。

生きている間に大成功して巨万の富は築いたものの、後世に残る自分の評価は「可能な限りの最短時間でかつてないほど大勢の人間を殺害する方法を発見し、富を築いた人物」ではちょっとやりきれない。

つーか、嫌でしょうよ、普通に。

そこで自身の死を意識したころから遺言を書きかえ、後日ノーベル賞のもととなる遺言を新たに残したそうです。

誤報が無かったら…。

5分野+1分野

ノーベル賞にはどんなものがあるかご存知でしょうか?

知ってるようで意外に知らないところではないかと思いますが。

現在ノーベル賞として授与されるのは6分野あります。

  • ノーベル物理学賞
  • ノーベル化学賞
  • ノーベル生理学・医学賞
  • ノーベル文学賞
  • ノーベル平和賞
  • 経済学賞

この内、経済学賞はノーベルの遺言にはなく、ノーベル財団は正式にはノーベル賞と認めてはおらず、ノーベル賞を冠しない経済学賞(正式にはアルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞)と呼ぶそうです。

経済学賞はスウェーデン国立銀行が賞の設立300年を記念してノーベル財団に働きかけ、1968年に設けられたものだそうです。

選考方法

「物理学賞」「化学賞」「経済学賞」はスウェーデン王立化学アカデミーが、「生理学・医学賞」はカロリンスカ研究所(スウェーデン)が、「平和賞」はノルウェー・ノーベル委員会が「文学賞」はスウェーデン・アカデミーが選考を行います。

選考方法は一切秘密。

選考過程は受賞の50年後に公表されるそうです

50年前の選考過程は公開されるものの現在の選考過程が同じかどうかは全く分からないという秘密のベールに包まれています。

ノーベル文学賞については、今ちょっとスキャンダルに見舞われているようですが…。

受賞資格

1974年以降、受賞資格は受賞時に生存していること

それ以前は候補に挙げられた時点で生存していれば受賞できたようです。

もともとノーベルの遺言では「前年に人類のために最大たる貢献をした人々に」とあるようなので、死んでから名誉の為に受賞する類のものとする事はノーベルの意としたものではなかったのかようです。

賞金のお話

気になる賞金は?というと。

元々ノーベルの莫大な遺産を安全な有価証券とし、その利子を賞金とするように遺言されています。

その為、賞金は過去に幾度か変動しているようです。

近年は投資方法の変更などもあり賞金も増額され、おおよそ日本円で1億円程度だそうです。

因みに、日本ではノーベル賞を受賞して得られた賞金の所得税は非課税となるようです。

流石にノーベル賞とると見逃してくれるようです。

受賞者のあれこれ

長い歴史を持つノーベル賞。

色々な人がいます。

何度も受賞した人

ノーベル賞を受賞するというのはただでさえも大変な事。

不可能なことの喩(たとえ)に使用されるくらいです。

「そんなことできたらノーベル賞ものだ」なんて。

ところが1人で何度も受賞した人というのは何人かいらっしゃいます。

なかでも有名なのはやっぱり僕が小学生のころ読んだ偉人伝ものに必ず入っている「キュリー夫人」こと、マリ・キュリー

彼女は最初、ご自身の伴侶であるピエール・キュリーと1903年にノーベル物理学賞を共同受賞、そして1911年にはノーベル化学賞を受賞しています。

つまり、夫婦で受賞、個人では2度受賞。

そして更にすごいのは何とマリ・キュリーの娘、イレーヌ・ジュリオ=キュリーもノーベル化学賞の授賞者。

つまり母娘で受賞。

さらにイレーヌは夫婦での受賞なので、何と2代続けての夫婦で受賞。

画像出典Wikipedia

すげー。

最年少での受賞

これはまだ記憶にも新しい2014年のマララ・ユスフザイさん。

ノーベル平和賞を受賞しましたが、受賞時17歳

圧政下で命を懸けて女性が教育を受ける権利や必要性や、現地の惨状を訴え続けました。

わずか11歳の時。

画像出典Wikipedia

ノーベル平和賞に値する立派な方です。

年齢は関係ない。

最年長での受賞

これは何と今年の受賞者。

記事を書いている時点でなんと昨日、ノーベル物理学書の受賞が決まったアーサー・アシュキン博士。

現在96歳での受賞となりました

おめでとうございます。

画像出典Wikipedia

それまでの最高齢は2007年に経済学賞を受賞したレオニード・ハーヴィッツ ミネソタ大学名誉教授。

90歳での受賞でした

受賞の翌年に亡くなっっています。

画像出典Wikipedia

受賞資格は「受賞時に存命である事」ですから、長生きするといい事ありますよって事なんでしょうか?

日本人の初受賞

これは知らない人はいないと思いますが、念のため。

1949年にノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士。

授賞理由は「中間子の存在を理論的に予言」したことによります。

ノーベル賞は欧米の研究者を中心としていたため欧米人以外には中々受賞者が現れなかったなかでの受賞。

画像出典Wikipedia

敗戦後の日本人を勇気づけた大きな出来事だったと思われます。

アジア初の受賞者

1913年にノーベル文学賞を受賞したラビンドラナート・タゴールというインドの哲学者。

あまり馴染みはないかもれませんが、以前東京の神楽坂(角栄さんが愛した街)にタゴールの名を冠したBarがありました。

神楽坂にできる高層マンションに最後まで反対していましたが、建物ごといつの間にかなくなってしまった。

神楽坂には珍しく深夜まで営業していて値段もお手頃でいい雰囲気のお店でした。

画像出典Wikipedia

あ、関係ないよ、ノーベル賞と…。

CHCKWowma!

ノーベル賞を辞退した人

4人ほどいらっしゃいますが、うち1人は自らの意志ではなく(時の政権に強制的に辞退させられた)、又もう1人は後に家族が没後に受賞しているため、自らの意志で辞退し受賞をしていない人物は2人。

作家であり哲学家のジャン=ポール・サルトル氏(1964年ノーベル文学賞)とベトナムの革命家で政治家のレ・ドゥク・ト氏(1973年ノーベル平和賞)。

ジャン=ポール・サルトル氏は「作家は自分を生きた制度にすることを拒絶しなければならない」として公的な賞を全て辞退しています。

ノーベル賞だけでなくナポレオンによって制定されたフランスの最高勲章、レジオンドヌール勲章も辞退しています。

画像出典Wikipedia

レ・ドゥク・ト氏はベトナム戦争を終結に導いたパリ協定での交渉の尽力により平和賞の授与が決まりましたが「ベトナムにまだ平和が訪れていない」と言って辞退しました。

画像出典Wikipedia

どちらも勿体ないと言えば勿体ないけど、うムムム。

僕にはできない。

イグノーベル賞とノーベル賞を受賞した人

イグノーベル賞とは「人を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して授与されるノーベル賞のいわばパロディーです。

実は日本人はこちらの賞に関しては目下12年連続で受賞と無類の強さを誇っています。

2005年にはドクター中松博士も受賞されています。

いやちょっと待て、ドクター中松博士っておかしいよね?

頭痛が痛いみたくなってる…。

中松義郎博士が正しい。

最近自らの研究をもとに病気を克服されたようです。

画像出典Wikipedia

ところが世界には凄い研究者がいて、2000年に「カエルの磁気浮上」でイグノーベル賞を受賞し、2010年には「二次元物質グラフェンに関する革新的な実験」により本家のノーベル賞を受賞した人がいます。

ロシア生まれのオランダ人物理学者、アンドレ・ガイム氏。

画像出典Wikipedia

日本からもガイム氏に続く研究者が現れるでしょうか?

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受賞できそうでできない人

各分野で今年こそはと毎年有力候補に挙げられながらなかなか受賞できない人は世界中に何人もいらっしゃるようですが、何と言っても僕たち日本人にわかりやすいのが作家の村上春樹氏。

毎年ノーベル文学賞の受賞が世界中で有力視されているにもかかわらず毎年受賞できない人。

今年に関してはノーベル文学賞自体がスキャンダルにより見送られてしまうという運の無さ。

事態の成り行きによっては来年も見送りとか・・・。

三島由紀夫はノーベル文学賞を熱望していたのに受賞できませんでした。

師と仰ぐ故川端康成の受賞は自分のことのように喜んだといいますが、その後「三島事件」により自決。

日本人初のノーベル文学賞受賞者の故川端康成もその後自死を遂げています。

ま、まあ、日本人もう一人のノーベル文学賞受賞者の大江健三郎氏はご健在ですからね、別に…ね・・・とるとらないは・・・。

長生きするしかないかも。

国別でいうと

国別での受賞者数で言うと1位はアメリカ合衆国で300人以上を輩出しています。

これはもう圧倒的。

2位はイギリスで100人を超えています。

以下ドイツフランススウェーデンと続き、何と日本は6位と結構検討しています。

アジア圏では一人勝ち状態ではあります(勝か負けかはさておき・・・)。

とはいえ5位のスウェーデンとは10人以上の差があります。

もともと欧米が中心であったことを考えれば大健闘とは言えます。

ただ、近年ではノーベル賞の授賞者数が国力を測る指標とまで言われている事を考えると、世界第3位の経済大国としてはもう少し国内の研究者に対する国の援助があってもいいのではないかとも言われています。

つまらんことに金を使わないで、必要なところに使っていただきたいものでございます。

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おわりに

今年まだ発表されていないのは現時点ではノーベル化学賞・ノーベル文学賞・ノーベル平和賞と経済学賞。

ノーベル文学賞は残念ながら見送りとの事ですが、はてさて、今年2人目の日本人の受賞はあるんでしょうか?

期待して待つことにいたしましょう。

おしまい


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