こんにちは すずき です。
お蕎麦やうどんの薬味の定番といえば七味唐辛子。七味と言うくらいだから7種類入っているであろうこことは想像できますが、全部わかりますか?
実は作っているメーカーによっても少し違っていたりするようです。
ところで何で7味なんでしょう?
中には六味だと(無味 ムミ)、八味だと蜂蜜(“ハチミ”ツ)になってしまうから何ていう説もあるようです。
ちなみに「七味」ってこれどう読みますか?
シチミでしょうか?それともナナミ?
そもそも「七味」と言う表記じたい関西風の表記なんだそうです。
関東では本来「七色唐辛子(ナナイロトウガラシ)」や「七種唐辛子(ナナシュトウガラシ)」が普通だったとか。
僕は静岡生まれの静岡育ちですが「七味唐辛子」とかいて「シチミトウガラシ」と読むのが普通だと思っていました。
現在はおおむね「シチミ」が普通ではないかと思います。
七味を最初に開発したのは浅草の「やげん堀」。1625年(寛永2年)に、両国で創業し、漢方薬をヒントに七味唐辛子が開発され販売されたようです。
とうじは「七味」と書いて「ナナイロ」と呼んで販売されていたようです。
だから正しくは、というかもともと関東では「七味唐辛子(ナナイロトウガラシ)」が正解かと思うとそうではなく、さらに進んで「ナナイロ“トンガラシ”」と呼ばれていたようです。
少々ややこしいお話。
七味の中身はと言うと、これはメーカーごとに少々違いがあるようです。
現在、三大七味唐辛子と言割れる三社ですがやはり中身は微妙に違います。
やげん掘の七味唐辛子の中身は
唐辛子、焼唐辛子、山椒、麻の実、黒胡麻、陳皮、芥子の実
陳皮と言うのはみかんの皮を乾かしたもの。
血圧の降下作用の他、芳香性健胃、鎮咳薬として食欲不振などに効果があるとされています。
芥子の実というと日本ではアンパンの上の白い粒粒のイメージでしょうか?
じつは芥子はアヘンの原料になる花です。英語ではPOPPY(ポピー)といって、欧米では古くから栽培されたきた歴史のある花です。
目的は勿論アヘンの生成なわけですが、芥子の実自体には麻薬成分はほとんど含まれていません。日本では古くからスパイスの一種として使用されてきました。
因みにアンパンの上に芥子の実がふってあったら中身はこしあんです。
黒ゴマだと粒あん。
麻の実も入ってますね。
念のために書いておくと麻の実も芥子の実も熱処理がされて発芽しないようになっております。ご安心ください。
「やげん掘」さんは生唐辛子と焼唐辛子の二種類の唐辛子が入っているんですね。
ピリッとした辛さが特徴と言えそうです。
唐辛子、青紫蘇、山椒、麻の実、黒胡麻、白胡麻、青海苔
胡麻が黒と白の二種類入っています
胡麻の色による栄養素の違いと言うのはほとんどないようですが、黒胡麻にはタンニン系ポリフェノール色素が多く含まれ動脈硬化、脳梗塞を防ぐ抗酸化作用、ホルモン促進作用があるようです。
胡麻自体、抗酸化作用がとても強く各種栄養素も豊富な食材です。
見ての通り「七味屋」さんの七味は唐辛子の他は全て香りを持った素材を使用しています。
辛味と香りを重視していると言えそうですね。
唐辛子、紫蘇、山椒、麻の実、黒胡麻、陳皮、生姜
生姜を使っているのは「八幡屋磯五郎」さんだけですね。
生姜はやはり古くから生薬として使われてきた歴史があります。
おもに胃腸機能低下防止に効果が高いとされています。
全体としてみると「やげん掘」さんと「七味家」の丁度中間的な感じと言えそうです。
辛さと香りのバランスを重視と言う感じでしょうか?
三大七味唐辛子においてという事になりますが、各社、唐辛子、山椒、麻の実、黒胡麻は共通。
焼唐辛子、青紫蘇、紫蘇、陳皮、芥子の実、白胡麻、生姜などがそれぞれの工夫で使われているようです。
ちなみにSB食品の七味唐辛子はというと
赤唐辛子、陳皮、山椒、麻の実、黒胡麻、芥子の実、青海苔
大木からし店さんは江戸の老舗という事でしょうか、「やげん掘」さんと同じでした。
とはいえ各社配合の比率等は営業秘密なんでしょうね。
最近はゆずの風味を足したゆず七味や生姜のきいてる生姜七味など各社工夫が凝らされている商品もあります。
僕はゆず七味大好きです。
辛さががズバリ欲しい人は一味と言う選択も。
奥が深いな七味唐辛子。
おしまい