こんにちは すずき です。
いまどき胡椒がない家ってないですよね。
でも今のような交通手段がなかったその昔、胡椒は金と同じ価値があったといいます。
確かに今は冷蔵庫もありますしお肉を保存したり、美味しくいただく方法はいろいろあるでしょうが、昔は、そんな方法もなく、特に肉が主食であったヨーロッパでは現代人からしたら、なかば腐りかけた肉ですらおいしく食べられるようにしてくれる胡椒はまさに魔法のスパイスであり、「天国の種子」とまで言われていたようです。
今ではどこの国のどの地方に行っても食卓に塩と並んで胡椒がおいていないところはないとまで言われていますが、昔は大変だったようです。
胡椒の原産はインド。
古代インドでは胡椒は主要な輸出品であったようです。
ヨーロッパでも紀元前4世紀にはすでに知られていて高額で取引されていました。
何と1世紀のローマでは金銀と同重量で取引されていたといわれています。
十字軍の遠征や大航海時代も目的の一つは胡椒であったとも。
教科書で習ったことがありますが、ヴァスコ・ダ・ガマがアフリカの喜望峰を回ってインドに至るインド航路を発見すると、ヨーロッパの商人が直接インドで胡椒を手に入れることができるようになりました。
この長い航海にも、肉を保存することができる胡椒は大変貴重だったようです。
胡椒の抗菌・防腐・防虫作用はピペリン(piperine)という成分によります。
胡椒の辛みのもとになっているのもこのピペリンです。
冷蔵技術が未発達であった中世においては、料理に欠かすことのできないものでした。
意外なことに鉄分も多く含まれていています。
貧血の予防効果も期待できます。
カリウムも豊富に含まれています。
カリウムには塩分の体外への排出効果があるので、塩コショウというのは現代人にとっては実はとても相性の良い調味料なんですね。
生薬として利用されていたこともあるように、消火不良、嘔吐、下痢、腹痛に効果があるとされ、抗がん作用や抗酸化作用などもあるとされています。
素晴らしい。
胡椒は収穫のタイミングや製法の違いにより種類が分かれます。
黒胡椒
いわゆる「ブラックペッパー」。
完全に熟す前に収穫し、時間をかけて乾燥させます。収穫した時は緑色の皮が感想の過程で黒く変色し、しわができます。
強い独特の風味があります。
肉料理との愛称は抜群。
白胡椒
こちらは赤く完熟してから収穫し、乾燥させた後、水につけて外皮を剥ぐと白い実が出てきていわゆる「ホワイトペッパー」となります。
黒胡椒に比べると風味は弱く、魚料理に合うとされています。
青胡椒
完熟する前に収穫し乾燥させるが黒胡椒とは違い塩漬けまたは短期間に乾燥させたものを青胡椒、または「グリーンペッパー」という。実の色は青というよりは緑色。
爽やかな辛みがあり、肉料理ににも魚料理にも合うとされています。
また香辛料としてだけでなく炒め物の食材としても使用されます。
赤胡椒
別名「ピンクペッパー」。
完熟した胡椒を外皮をはがさずにそのまま使用する。
色合いがよく、風味もマイルド。
一般的に流通しているものは実は胡椒ではない。
南アメリカ原産のウルシ科の「コショウボク」の実。
当たり前すぎて余り気にも留めない胡椒ですが、実はその昔は大変貴重でなかなか手に入らないものであったというのは意外。
でも確かに胡椒が無かったらラーメンいっぱい食べるのにも随分と味気ない。
胡椒の入ってないラーメンなんて。
今は保存方法が確立されているお肉だってやっぱり胡椒が無かったらと思うとなんだか味気ない。
昔は胡椒っていうと粉末になったものしかなかったけれど、最近だと粒のまま(ホール)で各種手に入りますから、ミルさえあれば挽きたての胡椒の香りを楽しむことだってできます。
胡椒が簡単に手に入る現代に生まれてよかったと思う すずき です。
おしまい